バイクマガジンから抜粋

 1991年の事、オームバナは国道65線を彼のバイク、ロイヤルエンフィールドブレットで走行中に誤って木に激突し事故死した。警察による現場検証の後、彼が運転していたバイク、ロイヤルエンフィールドブレットは警察署へ運ばれ保管された。ところがそこから奇妙な現象が発生した。翌朝になると警察で保管されているはずのバイクが姿を消しバイクは事故現場の彼が激突した木の前で発見されたのである。警察はこの奇妙な現象を何者かによるいたずらと考え再びバイクを警察署に移動し、再びいたずらされないようにとバイクの燃料タンクからガソリンを抜き、タイヤはチェーンでロックし保管した。ところがである、翌朝になると再びバイクは警察署から姿を消し事故現場の木の前で発見されたのである。この奇妙なバイクのニュースはたちまちインド中に広がった。また地元ではこの現象は死亡したオームバナによる心霊現象であると信じられ畏怖と敬意を込めて死亡したオームバナはブレットババ(ロイヤルエンフィールドブレットの聖者)と呼ばれるようになり、事故現場にはブレットババの寺が設立され彼のバイク、ブレットもそこに安置されるようになったのである。現在ではこの寺に地元はもとより遠路はるばる交通安全を祈願する為に訪れる巡礼者が絶えない。地元の人によると今でも時たま夜中になると安置されたブレットからエンジン音が聞こえてくるという…

一昨年、バイクマガジンでこの記事を見た時にバイクが信仰の対象に成るなんて面白いなと思った。しかも信仰対象がインド製のロイヤルエンフィールドである。私は心霊現象や宗教は信じていないが話として面白いと思ったのと日本でも観光と縁起を担いで神社や寺に参拝する様に、このロイヤルエンフィールドの寺にも是非機会があったら訪れてみたいと常々思っていた。何故ならここはまさにロイヤルエンフィールドブレットフリーク達にとってのインドでも稀に見る聖地だからである。世界中にロイヤルエンフィールドのフリーク多しといえどもココを訪れる事が出来る外国人なんてそういないだろう、正月は三泊四日の休暇がもらえた、場所はラジャスタン州のパーリーという街から国道65号線をジョードプルに向け20km程走った所である。元から休日なども自宅にじっとしていられない性格の私の事、さぁ装備を揃えて三泊四日巡礼の旅に出発じゃ!

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